世界に名だたる文化遺産、それを建築した人々はどんな人物だったのか。

世界の文化遺産を作った建築士達

建築士

世界に名だたるように人を呼び集める文化遺産、それは見るものを魅了する人が作り出した人工的な建造物だ。自然が生み出したものではなく、一画の手で時代の象徴ともいえる文化を表した遺産を人はその重みと、歴史の深さに酔いしれる時間を楽しめる。

しかし遺産と言っても、全てが世界遺産指定されるとは限らない、最近の日本では富士山を世界遺産に国を挙げての取り組みが始まっているが、登録までの道のりはかなりの難関だ。

そもそも世界遺産というものはどのような形で登録をされ、そして取り仕切る組織像がどのようなものなのかを少し覗いてみる。

国際連合教育科学文化機関(UNESCO)

国際連合の経済社会理事会の下におかれた、教育・科学・文化の発展と推進を目的として、1945年11月16日に採択された『国際連合教育科学文化機関憲章』に基づいて、1946年11月4日に設立された国際連合の専門機関である。

分担金はアメリカが最大で、以外にも日本が第二位の工面をしているのだ。意外としっかりとしているところもあるものだと、見直してしまうものだ。

【United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization】、この頭文字をとって通称UNESCOと呼称されており、公式に用いられている正式な呼び名、本部はイタリアはパリに拠点を置く。

機関の目的として、教育や文化の振興を通じて、戦争に悲劇を繰り返さないとの理念により設立の意義を定めたユネスコ憲章の前文には『戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和の砦を築かなければならない』と明言されており、世界での推進を目指して活動している。

活動に当たり、重点的に推進する目標として『万人のための基礎教育』・『文化の多様性の保護、及び文明間対話の促進』などを定めている。それに基づき、例えば前者に関しては識字率の向上の普及のための活動、後者については世界遺産の登録と保護、文化多様性条約の採択の他、歴史的記録遺産の保全する世界の記録事業などを実施している。

そのほか、極度の貧困の半減、普遍的初等教育の達成、初頭・中等教育における男女差別の解消・持続可能な開発のための教育・危機に瀕する言語の保護などを内容とするミレニアム開発目標など、国際開発目標達成を目指している。

文化遺産

今回のテーマとして繋がっている建築物に関してだが、今回はUNESCOの活動目的である『文化の多様性の保護、及び文明間対話の促進』といった世界遺産のとろく保護を目的とした内容がメインとなる。

世界遺産と言っても三種類あり『文化遺産』・『自然遺産』・『複合遺産』の三つに分けることが出来る。

今回はその中でも人の手によって作られた『文化遺産』について着目してみる。

そもそも文化遺産への登録としてもいくつかの段階を経て、その際の審査に通ることが出来れば世界公認の遺産として認められる。

登録基準の目安となるのは以下の通りとなる。

(1) 人類の創造的才能を表現する傑作。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。

(3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。

(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

(5) ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落、あるいは陸上ないし海上利用の際立った例。もしくは特に不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている人と環境の関わりあいの際立った例。

(6) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と、直接にまたは明白に関連するもの(この基準は他の基準と組み合わせて用いるのが望ましいと世界遺産委員会は考えている)。

上記に挙げた基準はひとつだけ用いられることはなく、複数の基準を用いて登録されることがほとんどである。

簡単に見るだけでも、例え造型が美しいというだけでは必ずしも登録されることはないのがこの基準を突破するための最大の難関だろう。

日本で例えるなら登録を目指している富士山の場合にしても、最大の問題点となるのは周辺にあるゴミ問題だ。

遺産としての美観を損ね、なおかつ放置していると判断されれば間違いなく登録されることはない、それを改善するために様々な取り組みを行っている。

それだけ登録されれば歴史的にも価値があると証明されるので、なんと解散として承認したいと願っているが険しい道のりだろう。

建築士になるためには

さて、建物を建てるためのは誰でもできるのと聞かれたら、ハイそうだよと答える人はいない、いたら張り倒されてしまえ。

建築士というのは日本においても国家資格の一つとして、その最上位の資格を得るとなれば相応の努力を求められてるので、建築士になるのも並炊いての努力でなれるものではない。

中でも世界遺産級の建物を作るとなれば、努力でカバーできるということではなく、その人の美的センスはおろか、文化的・人間的要素も加わって、出来あがるもののため、ある種の才能を有することになるが、まぁそれはおいておこう。

さて、そんな建築士になるためにはどんな過程をこなしていけばいいのか、見てみよう。

日本の場合

年一回行われる建築試験に合格し、管轄行政庁から免許を受け、設計管理などを行うのが一般的な仕事だ。建築士の資格に種類により、設計・管理できる建築物の規模等にも違いが出てくる。

近年では建築構造と建築設備の各分野においてそれぞれ構造一級建築士・設備一級建築士の制度を発足させている

ごく小規模なものを除き、建築物の設計または管理を行うには建築士の免許が必要である。他の多くの資格と違い、この制限は報酬を得なくとも、行として出なくとも適用され、例え本人の住む家であっても例外ではない。これは建築物が多くの人の生活に密接に関わり、ばあによっては命を奪う凶器になりうることからもなされている制限されている。

偉業好意ですら行として出なければ医師以外のものが行うことを禁止していないことから、建築士の行う設計又は管理は大変思い社会的責任の下にあり、公共的性格の強いものであるといえる。

建築士には『一級建築士』・『二級建築士』・『木造建築士』の三種類があり、その資格により設計・管理できる建築物に違いがある。

一級建築士

国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称の下で仕事ができる

扱うことのできる建物の基準としては以下のようなものである。

1:学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積500平方メートルを超える建物

2:木造建築物、又は建築の部分で、高さが13m、又は軒の高さが9mを超えるもの

3:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が300平方メートル、高さが13m、または軒の高さが9mを超えるもの

4:延べ面積が1000平方メートルを超え且つ階数が2階以上のもの

上記に該当するようなものを設計・管理することができ、日本の高層ビル関係を建築している人はこの資格を有していなければならない。

◎構造設計一級建築士

一定規模以上の建築物(木造で高さ13m超又は軒高9m超、鉄骨造で階数4以上、RC造又はSRC造で高さ20m超、その他政令で定める建築物)の構造設計については、構造設計一級建築士が自ら設計を行うか、構造設計一級建築士に構造関係規定への適合性の確認を受ける必要がある。構造設計一級建築士は、構造設計事務所に所属又は主宰する例が多くみられる。

◎設備設計一級建築士

一定規模以上の建築物(階数3以上かつ5000平方メートル超の建築物)の設備設計については、設備設計一級建築士が自ら設計を行うか、設備設計一級建築士に設備関係規定への適合性の確認を受ける必要がある。設備設計一級建築士は、設備設計事務所に所属又は主宰する例が多くみられる。

上記の二つの建築士は英語圏ではそれぞれStructual Engineer、Equipment Plannerと呼ばれ、多くの国ではアーキテクトの一形態とされるが、一部の国ではアーキテクトに含まれない職種として区別することがある。

二級建築士

二級建築士の場合、国土交通大臣からの免許ではなく、都道府県の免許を受けて、二級建築士の名称で働く。

もちろん、一級とは扱える建物の大きさは違ってくるので、以下のようなものを設計・管理できる。

1:学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店などの公共建築物は延べ面積が500平方メートル未満のもの

2:木造建築物または建築の部分で高さが13mまたは軒の高さが9mを超えないもの

3:鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が30平方メートル - 300平方メートル、高さが13mまたは軒の高さが9m以内のもの

4:延べ面積が100平方メートル(木造の建築物にあっては、300平方メートル)を超え、又は階数が3以上の建築物。

つまり、木造の住宅や、小規模な鉄筋コンクリート造などの建物(延べ面積300平方メートル以内のもの)などの設計及び工事監理が可能である。

木造建築士

最後に木造建築士は、都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称の下で仕事だできる。

字の通り、木造の建築物のみ設計・管理することができる。日本の伝統である高床式倉庫などを造りたいと思う人がいるならこれを取るしかない

具体的には木造建築物で延べ300平方メートル以内、且つ2階以下のものを設計・工事監理できる。

いずれの四角でも設計するもの以外の小規模な建物は建築士の資格がないものでも設計できるが、建築確認申請という手続きが必要であり、添付する設計図書などの作成を代理できるのは建築士と行政書士に限られる。

試験

試験は年1回行われ、『学科試験』・『設計製図の試験』の二つに分かれている。『設計製図の試験』は『学科試験』に合格しなれければ受験することができず、前年度、又は前々年度に『学科試験』に合格したものは当該等年度の筆記が免除される。

一級建築士は、複雑高度な技術を要する建築物の設計及び工事監理や、二級建築し、木造建築士の指導に携わるのに必要な知識・技術・職業倫理が問われるなど、仕事以外の面も見られることになる。

二級建築士試験・木造建築士試験では、個人住宅など日常生活に必要な建築物の設計、及び工事監理に必要な知識・技術・職業倫理を問われ、一級よりも若干ではあるが、難易度は下がる。

出題される問題は、建築技術教育普及センターから委任を受けた大学教授らの有識者グループが作成する。

受験資格

専門教育を受けていないものの場合、二級建築し、又は木造軒筑紫の受験資格を得るためには7年以上の実務経験を求められ、さらに一級建築士の受験資格を得るには、二級建築士になった後、さらに4年以上の実務経験を必要になってくる。

そのため、未経験者が一級建築士の資格取得を目指すとなれば、最低でも11年間の修行を要するということだ。

さらには二級建築士試験の受験申し込みから合格し、免許が与えられるまでの期間もあるため、どんなに頑張っても最短で12年の期間がなければ実務経験のみで受験資格を得ることができないのだ。

これほどの月日をかけたくないというものは、大学・専門がっこ運度で専門的な建築学を学び、その程度に応じた実務経験期間を短縮するのに利用する。しかし最大限短縮できたとしても必要な教育、及び実務経験が六年を下回ることはない。

さらに細かな資格内容があるが、今回はそこまでは触れないでおく。

各国の建築士制度

さて、ここからは日本以外での建築士制度について覗いてみる。

中国の場合

注冊建築師条例によって定められ、全国注冊建築師管理委員会の行う一級注冊建築師試験に合格することで一級注冊建築師になることができる。

1995年に改正された比較的新しい制度となっており、試験は8科目で構成され、4日間かけて行われる。下位資格として二級注冊建築師がある。

台湾の場合

建築師法によって定められ、考選部の実施する建築師高等考試に合格し内政部から免許の交付を受けることで建築師となる。

建築師資格取得後、2年以上の実務経験を積み建築師開業証明書を取得することで、開業建築師となることができる。2000年に法改正がされており、最も新しい部類の制度となっている。

韓国の場合

韓国の建築士制度は、国土海洋部が主管する『建築士法』に基づいている。

過去には一級建築士と二級建築士に分かれていた時代があったが、1977年以降は『建築士』のみとなっている。建築士となるためには建築士資格試験に合格する必要があり、その前提として建築士予備試験に合格する等の方法で建築士補となる必要がある。また、建築士の加盟する組織として建築士法に基づいて大韓建築士会が設立されている。

インドネシアの場合

インドネシアでは、建設サービス法により建築士資格が定められている。Arsitek(建築士)となるには、まず建築分野の学位を取得し最低2年の実務経験及びその他の条件を満たすことで初級建築士の資格を得る。

次に、専門性向上のため最低2種のコースを受講するとともに最低5年の実務経験及びその他の条件を満たすことで準建築士の資格を得る。

更に、専門性向上のため最低4種のコースを受講するとともに最低12年の実務経験及びその他の条件を満たすことで建築士(Arsitek)の資格を得ることができる。

イギリスの場合

1931年に制定され1997年に改正された建築士法により建築士登録委員会が定められ、ARBに登録することで法律上の資格者となり、建築士の名称を使用することができる。

しかし業務の独占は定められていないため、建築士以外の者でも設計、監理等の業務を行うことができる。

また、建築士の所属する組織として王立英国建築士会があるが、日本の建築士会と同様に加入義務はない。

イタリアの場合

イタリアでは、5年間の建築専門教育を修了することで建築学博士となることができる。

建築士となって設計等の業務を行うためには、国家試験に合格するとともに、イタリア建築士会に加入しなければならないが、実務経験は要求されない。

フランスの場合

1977年の建築法で名称の独占と業務の独占が定められている。

国立建築学校等の学位を得ることで、法律上の資格者となり建築士を名乗ることができるが、建築設計業務を行うためには建築士会の地方評議会に登録する必要がある。

ドイツの場合

ドイツ連邦共和国は、連邦法によってではなく各州ごとの建築士法によって建築士の登録制度を定めているが、全ての州に共通して、法律上の資格者以外が建築士を名乗ることは禁止されている。

各州には建築士法に基づいて建築士会が設立され、各州の建築士会を統括する組織として連邦建築士会が設立されている。

アメリカの場合

アメリカ合衆国は連邦共和制の国であり、建築士についての法律も各州毎に規定されている。

しかし各州で共通する部分も多く、法律上の資格者となってArchitectを名乗るためには、法律建築教育、建築実務、建築士登録試験の3つの条件が必要とされる。

尚、建築士登録試験はコンピュータによる試験であり、約220箇所ある試験センターの営業日であればいつでも受験することができる。

また、建築士の加盟する組織としてアメリカ建築士会があるが、日本の建築士会と同様に加入義務はない。

社会的責任

建築物の設計及び、工事監理は公共の安全に重大な影響をもたらすため、建築士の社会的責任は大きい。

日本で有名な事件といえば、2005年に起きた『構造計算書偽造問題』だろう。事件後の調査においては、他の構造偽装霊はわずかであったが、下請け設計者において本来一級建築士のみ可能な規模の建築物の構造設計を二級建築士が行っていたり、建築設備の設計を設計資格者ではない建築設備し、技術士等の建築士事務所登録を受けずに下請けとして請け負っていたことが判明した。

これらの無資格者への設計委託を厳格に禁止するため、『再委託規制』・『重要事項説明義務』・『構造設計一級建築士』・『設備設計一級建築士』が新たに設けられ、不用意な資格者以外への設計業務委託が行われないよう厳しく管理することが建築士に義務付けられた。

これはほんの一般的な問題だが、このほかにも様々な問題があるが、今回はこのくらいにしておく。

つまりは、建築することは言いとしても、それだけ伴う責任は重大且つ、重いのだということを知っていただけたらなと、いうところである。